えつの音楽ブログ

ちまたに溢れる音楽を、移動ドとかコードとかの角度から見てみるブログです。

君が代の階名

今回は、日本一有名(?)なメロディの階名を考えてみたいと思います。

暗譜している方も多いかと思いますが、あらためて君が代の楽譜を見てみましょう。

 

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階名を考える上で重要なのが調性判断です。

この曲の調が何かを考えてみると、まずト音記号の横に調号がついていないことに気付きます。曲中でも♯(シャープ)や♭(フラット)といった臨時記号が一切現れません。

言い換えれば、この旋律はピアノの白鍵だけで弾けるということです。

ピアノの白鍵だけで弾けるということは、君が代は皆さんお馴染みのハ長調なのでしょうか?

 

ハ長調の場合

ハ長調だとすると移動ドは以下のようになります。

レドレミソミレ ミソラソラレシラソ  

ミソラ レドレ ミソラソミソレ

ラドレ ドレラソ ラソミレ

臨時記号が出ないのですんなり書けました。

最も多くの人が慣れているのはこのハ長調パターンかと思います。

しかし、ハ長調には最後の音が「ド」で終わるという特徴があるのですが、この場合は最後の音が「レ」なので不自然です。

ということで、最後の音が「ド」になるように移調してみましょう。

 

ニ長調の場合

ドシ♭ドレファレド レファソファソ ドラソファ

レファソ ドシ♭ド レファソファレファド

ソシ♭ド シ♭ドソファ ソファレド

はい、このようにちゃんと「ド」で終わりましたね!

ところが、シの♭(フラット)が何度も出てきて、全体的にわかりづらくなっています。

 

うまくいかないので、ここで発想を変えてみましょう。

もしかしたらこの曲、長調ではなく短調なのではないでしょうか?

短調は最後の音が「ラ」となるのが特徴なので、「ラ」でメロディが締めくくられるよう移調してみます。

 

ニ短調の場合

ラソラシレシラ シレミレミラファ♯ミレ

シレミ ラソラ シレミレシレラ

ミソラ ソラミレ ミレシラ

締めくくりもちゃんと「ラ」になっていますね。

今度は臨時記号として♯(シャープ)が出てきますが、その数は1個だけです。

これが最適解なのでしょうか?

 

実は、最初のハ長調と同様に、臨時記号が0個になる調がまだあります。

 

ト長調の場合

ソファソラドラソ ラドレドレソミレド

ラドレ ソファソ ラドレドラドソ

レファソ ファソレド レドラソ 

 

なぜト長調臨時記号が出てこないかというと、

君が代のメロディが音名でいうC,D,E,G,A,Hで構成されているためです。

それぞれの調の構成音を音名で書くと次の通り。

 

 ハ長調……C D E F G A H

 ト長調……G A H C D E Fis

 

FisはFの半音上です。上の太字以外の音だけが使用されているので、ハ長調でもト長調でも♭や♯がでてこないわけです。

逆に、隠れた構成音としてFを入れるかFisを入れるかによって調の解釈がかわってくると言えます。

 

ハ長調ト長調か、あるいはニ長調ニ短調か。

果たして正解は!?

 

と、ここでネタばらし

ここまで君が代が何調か考察してきましたが、

正解は壱越調(呂旋)だそうです。

いきなり漢字が並んで何事だ!という感じですが、

つまりは西洋音楽の調ではなく雅楽の旋法だということですね。

君が代が日本の国歌であることを考えれば納得の結果です。

 

壱越調の構成音は以下の通りとされています。

 

壱越調……D E Fis G A H C

 

組み合わせだけ見ればト長調と同じですが、主音がDなのでト長調とは別物です。西洋の教会旋法でいうD-ミクソリディアンに近いんだとか。

ただ、壱越調の構成音はこのパターンだけではなく、「上昇音形ではD E G A C D、下降音形ではD H A G E D」という複雑な説もインターネット上ではチラホラ見かけます。壱越調をぴったり他の西洋の調に代えるのは難しそうです。

 

階名は西洋の調がベースになっているため、結論としては階名は付けられません!

 

…とここまで書いておいて逃げられるとは思っていないので、最後に個人的な解釈の階名を掲載しておきたいと思います。

 

個人的解釈の階名

レドレミソミレ ミソラソラレシラソ

ミソラ ラソラ ミソラソミソレ

ミソラ ソラミレ ミレシラ

黒太字ハ長調赤太字ニ短調です。

 

なんともごちゃ混ぜで一貫性のない調性ですが、自分の感覚ではこれでしっくりきます。

なぜこれでしっくりくるかと考えてみると、伴奏付きの君が代の影響が多少あるのではという推測にたどりつきました。


国歌「君が代」 - YouTube

 

ドイツ人のエッケルトが編曲したというこちらの伴奏は、基本的にハ長調のコードで作られていますが、1〜2小節(きみがーよーは)と10小節後半〜11小節(すーまーで)はユニゾンで、和音は付けられていません。

このユニゾンによって、君が代ハ長調をつける際の違和感(「ド」で締めくくらない)が解消されているのです。(調がうまく解釈できず編曲を放棄したという説もあるそうですが…)

 

さて、細かく見ていきますと、この伴奏では3小節目「ち」のコードがCメジャー(ハ長調のⅠ)で、これはトニックです。(トニックやドミナントについて知らない方は一度ググってみましょう)

トニックの直前のコードはドミナントかな?と推測できるので、メロディがDの音であることから、和音を付けるとすればG,H,Dの3音からなるGメジャー(ハ長調のⅤ)となります。そんなこんなで最初の2小節は丸々ハ長調です。(ガバガバ解釈!)

そのままの流れでしばらくずっとハ長調で、6小節目でニ短調になるなのはなんとなく短調っぽい雰囲気がするからです。(適当)

7小節目で5小節目と同じ音形が出てくるのでまたハ長調に戻り、9小節目以降はまた短調っぽくなるのでニ短調で、そのまま曲の終わりとなります。

とこんな感じで調を当てはめていきましたが、読んでお分かりの通り非論理的でひとりよがりなものなので冗談半分で読んでいただければと思います。

 

みなさんも一度自分なりに君が代の階名を考えてみてはいかがでしょうか?

 

 

この記事を書くのに以下のページを主に参考にしました。ありがとうございました。

 

参考にしたページ;

Trumpet Player 野間裕史のページ

「君が代」は長調ですか?個人的には長調=旅客機、短調=戦闘機だと思っ... - Yahoo!知恵袋

おやさと雅楽会:六調子

君が代をめぐって―芥川也寸志と黛敏郎(前編)|DAS MANIFEST VOM ROMANTIKER

http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/classical/1354467854/