ヨナ抜きっぽいけどヨナ抜きじゃない曲
メロディを「ドレミファ…」で歌ったときに「ファ」と「シ」が出ないものをヨナ抜き音階と言います。
例えば、童謡の「たなばたさま」「桃太郎」などはヨナ抜き音階です。
(以下の記事を参照)
さて、今回はサビの途中までヨナ抜きっぽいけど結局ヨナ抜きじゃない楽曲を紹介したいと思います。
・花は桜 君は美し/いきものがかり(2008年)
花は桜 君は美し
ソラミソラレ ソラミミレミラ
春の木漏れ日 君の微笑み
ソラドラドレミ レミソミソシラ
このように、サビの終わりかけで「シ」が出てきて、ヨナ抜きじゃないことがわかります。
「春」「桜」といったフレーズは、ヨナ抜き音階の和の雰囲気にとてもマッチするため、これまで多くの桜ソングでヨナ抜き音階が使われてきました。
出だしはその流れを汲んだ「花は桜 君は美し」ですが、ピッチが一番盛り上がる部分で「シ」を入れてヨナ抜きをハズしてくるあたりがニクいです。
・HOT LIMIT/T.M.Revolution(1998年)
YO! SAY, 夏が 胸を刺激する
ソラミソソラ ミレドレミレドラ
ナマ足 魅惑の マーメイド
ラドレミソミレド レドレドミ
出すとこ出して たわわになったら
ソソラミソソラ ミレドレミレドラ
宝物の恋は やれ 爽快っ
ラドレミソミレミ ソミ シラ
これも最後の最後に「シ」が出てきますね。
同じT.M.Revolutionの楽曲では、「魔弾 ~Der Freischutz~」もヨナ抜きっぽくてヨナ抜きじゃない曲です。一方で「HEART OF SWORD 〜夜明け前〜」のように完全にヨナ抜き音階の曲もあります。
・言葉に出来ない/オフコース(1982年)
LaLaLa...
ミレド レソミ レドミレ シレド
この曲は他の部分では「シ」や「ファ」がいっぱい出てくるためオマケ的な選曲ですが、もし最後のフレーズが「シレド」じゃなくて「ミレド」や「ソレド」になっていたら全く違う雰囲気になりますね。
このように、ヨナ抜き音形から外れた「シ」や「ファ」は意外性や物悲しさ、流れの変化など様々なアクセントを作り出すのに用いられます。
もしふと耳にした楽曲がヨナ抜き音階っぽいなと感じたら、そのフレーズのどこかに「シ」や「ファ」が混ざっていないか調べてみると面白いかもしれません。