えつの音楽ブログ

ちまたに溢れる音楽を、移動ドとかコードとかの角度から見てみるブログです。

階名が歌詞になっている曲(1)

歌をうたうとき、歌詞をそのままうたうのではなく、その曲の階名でうたうことはしばしば音取りなどで役に立ちます。

 

ところが、わざわざ階名に読み替えるまでもなく、歌詞自体が階名になっている曲もあります。今回はそんな曲たちの中のひとつ『ドレミの歌』を紹介したいと思います。

 

 


ドレミの歌 - YouTube

 

歌詞と階名は以下のとおりです (適宜伸ばし棒や空白を入れています)。

ーはドーナツのドー

ーレミードミドミー

 

ーはレ モ ンのレ ー

ーミファファミレファー

 

ーは みーんなのミー

ーファソーミソミソー

 

ファーはファイトの ファー

ファーソラ ラソファラー 

 

ーはあおい そらー

ードレミファソラー 

 

ーはラッ パのラー

ーレミファソラシー 

 

ーはし あわせよー

ーミファソラシドー

 

さあうた いましょう

ドシラファシソドー

 

それぞれの行の頭の歌詞(下線部)が階名と一致していますね!

 

上には書きませんでしたが、曲後半の「ドミミ ミソソ レファファ ラシシ」部分などは

まさに階名が歌詞になった形になっています(ハ長調なので固定ドでもあります)。

 

ところが、箇所によっては歌詞が「ド」なのに階名は「ミ」だったりとズレが生じています(上の引用歌詞の「ーナツ」など)。

 

このズレが人によってはかなり気になるようで、「この歌は歌いにくい!」といった話もたまに聞きます。

 

ところで、この歌は元々ミュージカル映画サウンド・オブ・ミュージックの劇中歌で、原曲は歌詞が英語です(上の日本語詞は歌手のペギー葉山さんによるもの)。

 

Doe, a deer, a female deer
Ray, a drop of golden sun
Me, a name I call myself
Far, a long, long way to run
Sew, a needle pulling thread
La, a note to follow Sew
Tea, a drink with jam and bread
That will bring us back to Do

 

日本語詞と比べると、英語詞では階名がほぼ文頭にのみ来るため、歌詞と階名のズレはあまり生じていませんね。("La"の行だけ"Sew"がズレてる) 

歌詞の意味も日本語詞と全然違っていて、特に「ラ」は適当な単語がなかったのか「ソの次の音」と歌われています(笑)

さらに「シ」は"tea"が当てはめられていることから分かるように英語圏では「ティ」と発音されるようです。僕の所属している合唱団でも「ティ」と読んでいたので入団時には若干戸惑いました。

 

ところで、「ドレミファソラシド」が「ドレミファソラシド」と呼ばれるようになった由縁も、実はある歌の歌詞にあります。

 

グレゴリオ聖歌ヨハネ讃歌』がそれです。

 

Ut queant laxis 

resonare fibris 

Mira gestorum 

famuli tuorum, 

Solve polluti 

labii reatum,

Sancte Ioannes. 

 

下線を引いた歌詞がそれぞれ「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」に相当し、実際その通りの音程で歌われます(「シ」だけは対応する歌詞が無いのですが、最後の行のSとIを組み合わせたものという説もあります)。

 

ある意味グレゴリオ聖歌がドレミの歌の原点と言えるかもしれませんね(?)

 

では今回はこの辺で。

 

 

グレゴリオ聖歌とドレミについての参考URL

ドレミの起源 Origin of do re mi _ Senri New Town Catholic Church